住友生命保険相互会社は、2018年の認証取得に続き、お客さまへ配布している“住友生命「Vitality」”パンフレットの「実利用者検証済ユニバーサルデザイン」認証マークを取得しました。

認証マーク:実利用者検証済ユニバーサルデザイン
対象物 :“住友生命「Vitality」”パンフレット

認証番号:200024
制作会社:株式会社DNPコミュニケーションデザイン
利用者:20代~60代の男女 女性3名、男性2名 合計5名
(内訳)39歳女性、51歳女性、63歳女性、24歳男性、75歳男性

住友生命保険相互会社は、2018年に「実利用者検証済ユニバーサルデザイン」認証マークを取得しています
【認証事例】住友生命保険相互会社 “住友生命「Vitality」”パンフレット( 2018年)

住友生命保険相互会社 “住友生命「Vitality」”パンフレット2019

取得した認証マークについて

「実利用者検証済ユニバーサルデザイン」認証マーク

「実利用者検証済ユニバーサルデザイン」認証マーク
今回付与した「実利用者検証済ユニバーサルデザイン」認証マークは、対象製品のメインユーザーである中学生以下の子育て世帯をリードユーザーとして、一連のすべての作業を同一空間で一緒に観察体験し、盲点となっていた利用者行動を発見、共有し、その結果を、「制作側の意図や制約についての理解」と「リードユーザーとなる利用者側の身体的・心理的・機能的側面についての理解」を併せ持つ2級UDコーディネーター資格を有する専門家がすべてのプロセスに関わり、サポートを行い、対象物の情報デザインの改善に多く反映された証となります。

評価のポイント

(対象物の用途)仕組みの理解 その重要なポイント 新たなメニュー
 
前回に引き続き、2回目の挑戦となる今回の認証の対象物は、このパンフレット単体で実利用者が使うものではなく、営業職員の方々が、保険商品の説明を行う際に使うものです。そのため、実際に契約を検討しているお客さまだけでなく、このパンフレットを使って説明する方にとっても、わかりやすく使いやすいものにすることを目指して、認証に挑まれました。
 
この対象物の目的は、この保険の特徴や仕組みを営業職員の説明とパンフレットを通じて、実利用者に理解してもらい、検討を進めるか、進めないかを判断していただくためのものです。
 
今回は、パンフレットのリニューアルということもあり、新たに追加された「認知症保障」だけでなく、「Vitality健康プログラム」と「1UP」という保険商品との全体の関連性や仕組みの理解、さらに実利用者が対象物を理解するための関係性構築に必要な要素などを提供者と制作会社が一緒に【実利用者行動観察ワークショップ】に臨み、課題を抽出しました。
 
今回の実利用者UD認証では、「間違った理解につながりやすいポイント」や「実利用者が自分事として理解をするためのポイント」等を分析し、多くの改善に反映したことを確認致しましたので、認証となりました。今後の更なる改善にも期待しております。

実利用者行動観察のようす

1)事前研修のようす

1)事前研修のようす
ジツケンの調査責任者の指導の下、観察の手順や観察する位置など、実査の練習をする観察班のメンバー(立っている男女と着席している男性)

2)調査(実査)のようす

2)調査(実査)のようす
ジツケンの調査責任者(左側男性)の進行の下、普段通りに対象物を受取り、自然な状態で利用する被験者(着席している女性)と観察班のメンバー(立っている男女)

3)調査(実査)のようす

3)調査(実査)のようす
ジツケンの調査責任者(左側男性)の進行の下、対象物を実際に利用する被験者(着席している女性)の様子を行動観察する観察班のメンバー(立っている男女)

4)調査(実査)のようす

4)調査(実査)のようす
ジツケンの調査責任者(左側男性)が、普段通りに対象物を利用する様子を観察した後に、被験者(右側男性)に目標設定に関わる事項などをヒアリングする様子

5)調査(実査)のようす

5)調査(実査)のようす
行動観察終了後に、次回の改善ワークショップに向け、考察方法の指導をするジツケンの調査責任者(右側立っている男性)と、観察班のメンバー(着席している男女)

6)気づきの共有

6)気づきの共有
盲点となっていた利用者行動を発見し、行動観察時に書き出した観察シートを基に気づきの共有を行う調査に参加した観察班のメンバー(着席している男女)

依頼主・制作会社の具体的な改善内容

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改善のポイントP1-P2
改善のポイントP13-P14
改善のポイントP21-P22

制作会社からのコメント

リスクに備えるだけでなく、リスクを減らしていくことをコンセプトに誕生した新しい保険、健康増進型保険“住友生命「Vitality」”。2018年の認証取得に続き、今回は2度目の取組みとなります。
 
今回の実利用者行動観察調査(ワークショップ)では、
・“住友生命「Vitality」”のしくみのさらなる理解促進
・新たに加わる「認知症保障」の情報整理・表現方法の工夫
を主なテーマとしました。
 
●情報構造の見える化
パンフレットの前半が「Vitality健康プログラム」、後半が「保障」という2部構成であるため、ユーザーがパンフレットの全体像をすぐには理解しづらく、自分の興味・関心事にたどり着きづらいという新たな課題を発見。
巻頭に“住友生命「Vitality」”のしくみが視覚的に理解できるイメージ図と目次を新設。加えて、前半と後半をつなぐ中央ページでは2部構成であることが直感的に伝わる改善デザインを立案しました。
 
●認知症の特徴と保障範囲をわかりやすく伝えること
「認知症保障」では、提供者(制作者)側の「伝えたい情報」と、利用者(ユーザー)が「理解したい情報」の間のギャップを発見し、「理解しやすい流れ」や「情報の連動性」、「視覚的表現」を意識した改善を行いました。
 
今回は2度目の取組みであったため、前回、立案し制作した改善デザインで調査を行うことで、前回の取組みでは見つからなかった新たな課題を抽出でき、より発展した改善策を立案・反映することができました。
今後も、実利用者視点のわかりやすさを追求し、より一層ユニバーサルデザインを推進していきたいと思います。

大久保 卓 氏

株式会社DNPコミュニケーションデザイン 
大久保 卓 氏

住友生命保険相互会社様からのコメント

保険商品は目に見えない商品と言われていますが、それを“見える化”するのが募集資料であり、その果たす役割は大きいものと考えています。当社はこれまでも「見やすく・読みやすく・わかりやすい」募集資料の作成に取り組んでおり、この「“住友生命「Vitality」”パンフレット」も、より消費者の立場に近い第三者機関の知見を得るべく、「実利用者ユニバーサルデザイン」認証を2018年6月に取得しました。今回は、同パンフレットの更なるレベルアップを目的として、2回目の認証取得に取組みました。
 
『”住友生命「Vitality」”パンフレット』は、加入者の健康増進への取組みをサポートするという、新しい概念の保険商品の募集資料であり、1回目の認証取得の際には、情報量をいかに削減するか、難しい単語をどのように分りやすく説明するかなど試行錯誤の連続でした。今回の調査にあたっては、予想以上に実利用者の皆さまが内容を短時間で的確に理解していただけることを確認でき、改めて1回目の認証取得を通して検討を重ねた成果を実感することができました。一方で、保険商品の全体像の把握に時間がかかってしまったり、私たちがお伝えしたい情報が実利用者の皆さまの印象に残らず読み飛ばされてしまったりと新しい課題も数多くみつかり、更なるレベルアップに向けて検討する良い機会となりました。
 
調査で挙がった一つひとつの課題に対し、当社だけでなく、制作会社やデザイナー、JITSUKEN様を交え専門的視点で具体的な改善策を議論できることが、情報の送り手が考える「わかりやすい」ではなく、情報の受け手にとって「わかりやすい」募集資料に繋がったと考えています。 今回の「実利用者ユニバーサルデザイン認証」の認証過程での経験を活かし、より「わかりやすい」募集資料の実現に向け、引き続き取組んでいきたいと思います。

(写真左から)柴田 利佳 氏・高木 安美 氏・小田 圭介 氏・洞田 健一郎 氏

(写真左から)柴田 利佳 氏・高木 安美 氏・
小田 圭介 氏・洞田 健一郎 氏